ブラッカムの爆撃機

ジブリパークが一部オープンになったり、宮崎駿監督の最新長編映画が完成目前だったりと再び盛り上がってきたスタジオジブリ。

そんな宮崎駿監督がイギリスの少年向け戦争小説「ブラッカムの爆撃機」に作者ゆかりの街タインマスを訪問した様子を水彩画で漫画を描いて結構なページ数載せている。

タインマスの景観、作者ウェストールへの思いに当時の爆撃機の詳細な図などと共に後半は既に亡くなっているウェストールと出会い戦争について語り合うという内容。さすが宮崎監督。絵が上手く緻密でそれでいて温かみがある。

こういう趣向があるために「風立ちぬ」を作り、ラピュタやナウシカでのメカのイマージが出来上がってくるのだろう。

本のタイトルである「ブラッカムの爆撃機」の他に2つウェストールの短編が収録されているが、どれも戦争の話。ブラッカムは敵国ドイツ飛行士の亡霊に自機の無線が乗っ取られる話。二つ目の幽霊の話は「君の名は」的な良く出来た話。二つの時間軸がエラーを起こして混在し、現在の歴史が書き換えられる。最後のお話しは苦手だったおじいちゃんに戦時中の事を聞いている内にすっかり仲良くなる話。

宮崎駿監督の絵の上手さを見つつ、ちょっとした読み物として気楽に読めて良い本。